2024-05

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087運玉森 一発も撃てず 幾十倍ものお返し

中隊は行動を開始し、運玉森の戦場に出た。兵隊は、さっそくタコツボ陣地を掘る、山田中隊長と鈴木曹長は兵一人をつれ山頂に登って敵状を偵察した。ここを守備していた石兵団の部隊がすでに全滅してしまったのでなにもわからない。(負け戦はどこまでいっても...
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086ノミの群れ 壁面を赤く染める ごう内に音をたてて

友軍砲兵の撃った砲弾が、首里北方に弾着するのが、よく見える。鈴木曹長は、津嘉山のふもとにアワモリ製造工場を見つけ、水筒に泡盛をつめた。 橋はおち、三差路や十字路には、敵砲弾がたえまなく落下して、通過がむずかしい。山ぞいの道路の上空では、りゆ...
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085スパイとビラ 船上から発火信号 日本軍の服装で暗躍

四月二十五、六日ごろ、棚原地区の戦局は一進一退、さかんにスパイ暗躍のデマがとんだ。「スパイは、日本軍の将校や下士官の服装をしている。なかには女もいる。男は後頭部、女は陰部にしるしをつけている」 鈴木繁雄曹長には信じられないことだった。だが、...
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084ロケット弾攻撃 聞きなれぬ音 監視所の天井吹っ飛ぶ

鈴木繁雄曹長は、手代森甲官軍曹と敵戦艦の艦砲発射数をかぞえていた。鈴木曹長が、中隊から手代森分隊の陣地へでかけたのは、あまりにも艦砲弾が猛烈だったからだ。二人は、陣地の入り口にたち、熱心に数えつづけた。二人の前方十五メートルの地点に、艦砲弾...
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083海三船七 米軍、上陸を開始 海は船でいっぱい

笹森兼太郎さん(釧路)は、二十年三月二十三日から四月一日の米軍上陸までを、次のように書いている。 連日、米軍の空襲、艦砲射撃をうけ、戦闘の間近いことを感じた。四月一日、米軍は嘉手納(渡具知海岸)から上陸。その報告が「海が三分で船が七分」 第...
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082レールのヤリ 鉄道線路をはずし 銃剣がわりに急造

山三四七六部隊(長・金山均大佐)第一大隊(長・丸地軍次大尉)の第一機関銃中隊(長・山田博中尉=札幌市琴似〇〇富子夫人)の行動を、鈴木繁雄曹長(富良野町〇〇)笹森兼太郎兵長(釧路市〇〇)佐藤三郎伍長(広尾郡大樹町〇〇)鈴木清三伍長(斜里町〇〇...
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081吉岡伍長の涙 山となる戦死体 かたづける気力もない

米兵の肉薄攻撃をうけた重機関銃分隊(長・三浦伍長)は残った四人のうち、二人は米兵に小銃でおう(殴)殺され、やっと二人が長浜上等兵らのところへ逃げ帰ってきた。 重機陣地では、三浦分隊長がひとり、激しい敵弾をあびながら、陣地内を狂ったように駈け...
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080半田上等兵自決 無残、血まみれ 〝生きていたかったろうに〟

長浜上等兵は、興奮と緊張で全然ねむれず、夜があけた。四月三十日米軍の砲撃が始まる。きのうにまして激しい。 第二小隊長高橋少尉(函館)が村上軍曹(小樽)をつれ、各分隊を巡察している。「なにか食べたか?」 たずねられた長浜上等兵は、元気よく答え...
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079白兵戦 さながら鬼のよう 米兵に武者ぶりつく

木口中隊は、前方からは迫撃砲弾、後方から艦砲弾をあび、地獄さながら。あたりには戦死体が散乱し、生きている者も、鬼のような顔で戦闘をつづけている。水さかずきのように、みんなでさいごの水をのみ、それぞれ配置についた。 第一小隊第二分隊(長・高橋...
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078三日のいのち 焦土にゆかしく 戦友の死体に花一輪

山三四七四部隊の第三大隊をはなれ、部隊本部直属となっていた第十一中隊(長・木口恒好中尉)は、四月二十八日、第一線の翁長、幸地陣地へ出発することになった。この軍旗中隊は、いつも各中隊のうしろにおかれ、パッとしない存在だった。 すでに戦死者十数...