aaokinawa

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177水 ゴウの下にわき水 危険をおかし近づく

夜になった。杢大伍長ら三人は、タコツボを出た。照明弾が明るい。〈水が飲みたい。照明弾が照らしていても、もう、どうでもいい〉〈水はないか…、水がのみたい…〉三人はさまよい歩く。ひあがった川のようなところへ出る。照明弾のあかりで見渡すと、一面に...
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176折れた軍刀 手りゅう弾の身代わり 目前の射撃に傷もなし

午前十時ころ島袋二等兵が、苦しそうに顔をゆがめ、がまんできない―といった声と様子で「あの、用便がしたい」という。この砲弾のなか、そとにでてやるわけにはいかない。〈いっしょに死のうとちかいあった戦友じゃないか。少々は、くさいだろうが、このなか...
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175摩文仁へ 照明弾で昼のよう 思うように進めず

命令には従わねばならぬ。杢大伍長は、身をさかれる思い―〈しかたがない…〉 島袋二等兵(沖縄)をうながし、真壁のゴウを飛び出した。 右にも左にも敵兵の姿。たえまない爆発音で鼓膜はやぶけそう。死んだ気になって走った。距離は約一千五百メートル。敵...
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174一人十殺一戦車 爆雷かかえて肉薄 恐ろしさも忘れて

島尻地区へ後退した日本軍は捨て身の切り込み戦で米軍に対抗していた。米軍は陣地のまわりにかくしマイクやピアノ線をはりめぐらして警戒にあたり、これに切り込み隊員がふれると照明弾があがり、集中射撃をあびた。 ある夜、友軍機が飛来して日本軍のいると...
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173殺してくれ! 弾片をはらにうけ 苦しさに耐えかねる

〈吉田中尉は車両九両に弾薬を積載、第一線の新川(南風原村の西方)に転出すべし〉 命令をうけた中尉は杢大伍長らをつれ、午後十一時ころ八重瀬岳を出発した。トラックは九台ともドアをとりはずしてあった。 午前二時ころ新川到着。弾薬を友軍にひき渡す。...
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172刀カジの名人 夜襲用の日本刀を スプリング材料に作る

夜間切り込みは、各部隊共通の戦闘法だった。山三四八三部隊(輜重兵第二十四連隊・長・中村卯之助大佐)でもやっていたが、その夜襲用日本刀は自動車のスプリングを材料に、野外で戦友たちが機銃掃射で倒れるなかで作られた。 作った人は空知郡山部出身のカ...
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171重傷者を残す 最期までここに… 死を覚悟し動かず

五月四日の山岳団総攻撃に、山三四七七部隊は発煙の任務をもって首里前方に出動、部隊の半数が戦死し負傷した。 五月十五日、大名部落から約二十キロ前後して山三四七八部隊(捜索第二十四連隊)の指揮下にはいり、左側の陣地につく。敵は首里に通ずる道路の...
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170馬 輸送上、最後の頼み 兵隊と生死をわかつ

山三四七七部隊(第二十四師団制毒隊・長・五十嵐正二郎大尉)は、四月八日運玉森で切り込み戦を行ってから戦闘任務についていたが、四月末、翁長戦線の山三四七五部隊が苦戦し相当な戦死、戦傷者がでたからその収容にあたれ―と命令をうけた。 五十嵐隊長以...
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169花火 日本軍の降伏で 終戦を祝う米軍

六月下旬、米軍の大部隊が糸満街道を新垣、摩文仁方面にむかって南下してゆく。これに対し、工兵部隊の負傷兵をのぞく全員が切り込み戦を敢行した。 高野伍長は負傷兵の手当てに専念しながら、悲壮な状況を見ていた。伍長にとって悲しいことは、自分の治療し...
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168宣伝ビラ 皇居拝し、ピストル自決 恋しい妻よ、子よ

五月下旬の雨の降る夜。山三四八一部隊(工兵第二十四連隊)児玉昶光部隊長(大佐)は半数にみたない部隊員を引率して、大里部落の部隊本部に帰ってきた。首里前線の戦況悪化の結果であった。「高野伍長ッ!」 前線から帰ってきた中村正男軍医大尉(山口県)...