2024-05

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067生き残りの三人 戦死、負傷が続出 兵隊の群に艦砲弾さく裂

佐藤武夫分隊長は、だれか生きている者はいないか、動いている者はいないか、と、伏せたまま、のび上がってあたりを見回した。 第二小隊の夜襲要員は二十五人。それが、またたくまに全員戦死するとは―信じられないことであった。眼前で展開されたいまの光景...
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066動くものなし 右も左も戦死 頼みの重機、遂にこず

寒さを感じ、佐藤分隊長が正気づいたときは、日がくれかけていた。〈どのくらいたったのだろう?〉 顔をなでてみた。メガネと鉄帽がない。あおむけに倒れている自分に気づく。鉄帽は、すぐそばにころがっていた。爆風をうけただけで、これというけがはしてい...
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065母の名をよぶ 〝ああ、最後だな――〟 すべてが遠くへ

佐藤武夫分隊長(釧路市〇〇)は黒人兵を監視しつづけた。黒人兵は、一度、キヤベツとりに姿を現わしたきり、出てこない。攻めてこない米軍と向きあったまま夜になった。 伊藤小隊長と三年兵(氏名不明)が、ヤミにまぎれ敵状偵察に出発した。小隊の全員が無...
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064工藤中隊③ 両足だけ残し 直撃弾を受け飛び散る

佐藤分隊長が身のちぢむ恐怖にかられているとき、運よく移動命令が出た。斜面からヤミのなかを二、三メートル前進。丘のふもとについて、分隊員は各自でタコツボを掘り、身をかくした。一帯はせまいクボ地。タコツボ間の距離は、せいぜい五、六十センチしかな...
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063工藤中隊② うなり、叫ぶ負傷兵 戦友も日一日と減る

高橋小隊長は中山伍長の顔をじいっとのぞきこみ「中山、分隊長をやれば死ぬぞ、覚悟はいいか?」 と念をおす。死は好むところではないが、決心はしている。伍長は、無言でうなずいた。「まあ、みなみな死ぬというわけではないから大じようぶだ・・・」 高橋...
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062工藤中隊① 立木も棒と化す 隊列に敵弾が落下

山三四七五部隊第一大隊(長・伊東孝一大尉)第三中隊(長・工藤国雄大尉)の行動を、第二小隊(長・伊藤少尉)第一分隊(長・中島三郎伍長)佐藤武夫上等兵(釧路市〇〇)と第三小隊(長・高橋幸一准尉)第四分隊(長・中山慶松伍長=札幌市南〇〇)の手記に...
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061女学生たち 爆撃も無関心 一途に負傷兵を後送

こんなに砲撃をあびているのでは、とても経塚部落にははいってゆけない。撫養兵長は、そう思った。 なおよく見ていると、砲煙弾雨につつまれた部落から、担架で負傷兵が運び出されている。運んでいるのは、沖縄の女学生たちだ。モンペ姿に白ハチ巻き、砲撃も...
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060三人の伝令兵 息をのむ数分 不発弾、二度目の命拾い

第二歩兵砲小隊は、首里後方山城部落に待機していた。そこへ命令を伝えることになった。「四月二十九日、山兵団は総攻撃を開始する」 伝令は、谷藤軍曹、撫養兵長、千葉上等兵。弾雨をくぐり、砲弾の穴を飛び越え、三人は走った。日原小隊長、戦友たちがえ顔...
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059志村大隊出動 信頼する避難民 山兵団に手を合わす

四月二十日。「命令、山三五七五、志村大隊は、今夕八時、首里方面へ向かって転進すべし」 島尻郡山城部落に足止めされていた歩兵第三十二連隊第二大隊(志村常夫大尉)に出動命令がくだった。第二歩兵砲小隊の伝令撫養富司兵長(深川市〇〇)は、小隊長日原...
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058たらちねの手紙➂ せめて遺品を・・・ 知りたい最期の模様

札幌市北〇〇 荒谷きみさんの手紙。 拝啓 前文お許しくださいませ。御紙夕刊の「あゝ沖縄」はわが子が、沖縄で戦死した母親として、毎日、夕刊を待ちわびもしやわが子の名前が出てこないか、どうかあらわれますように、と念じながら紙面にくい入るように拝...