- 201死ぬなよ きっと本部へ戻れ・・・ 顔は血と土にまみれる
- 202田川大隊長 馬のり攻撃に苦戦 最後の一兵まで失う
- 203あるく 上半身は傷だらけ 一本のツエがたより
- 204部隊長と大隊長 残りの「カンパン」 負傷の下士官の胸に
- 205白骨の行列 一瞬、立ちつくす 道路の両側にびっしり
- 206寺田兵長 ソ撃弾うけて即死 突然水捜しに出かけ
- 207黒砂糖と兵 がんばってください 銃も持たぬ兵を励ます
- 208指揮官 自己保護むきだし 平時大名、砲火にくすむ
- 209無名戦士 要領読まれた攻撃 将校の無策に散る
- 210小銃・女学生 使用不能の銃に泣く 海で自決した乙女たち
- 211迎えにくる 重傷兵は置き去り 動ける者がゴウを移る
- 212火の中 包囲され、逃げ回る ゴウへ火炎の追い打ち
- 213米軍司令官戦死 復しゅうか、猛攻続く ゴウ伝いに必死の移動
- 214死のゴウ 手足ちぎれる死体 異臭の中むさぼる眠り
- 215敗走記 行く先、行き先で敵襲 疲労に自決する同僚
- 216自責の念 あの時手りゆう弾を 一斉脱走がウラ目に
- 217祝砲 夜空にとどろく砲音 終戦も知らず連日夜戦
- 218終戦 苦闘も水のあわ 戦死の友にすまない
- 219両眼失明 地面をはいずる友 死体の浮く水を飲む
- 220友軍機 二百五十機沖縄へ? きっと友のカタキを
- 221北海道の味 豆かんに故郷しのぶ 友軍機か、青空に爆音
- 222日の丸 友軍機だ!だが一機 目にしむ日の丸、思わず涙
- 223陣地配備 軽機関銃も据えつけ やみの中でタコツボ掘る
- 224待機 故郷の家族に思いはせ じっと敵襲を待つ
- 225脱出 音を立てずに行動 必死でつづく負傷兵
- 226裸で逃げる 頭上で砲弾さく裂 服を干している最中に
- 227ムシのしらせ 土砂、坑木の下敷き 予感、ぴったり当たる
- 228同情 敵のスパイとは思えず 金を与えて逃がす
- 229雨 空腹、疲労で居眠り 小やみもない雨の中で
- 230米軍の戦闘方法 両軍の境に赤い布 飛行機へ位置知らせる
- 231命令 犬死にはさせられぬ 〝陣地へ出ろ〟とはいうが
- 232抜群の功 敵一個中隊を撃退 小銃と手りゅう弾で
- 233切り込み中止 わずか四人ではムリ 集結地で他部隊が全滅
- 234戦場の夢 湯気のたったみそ汁 食べる寸前目がさめる
- 235カンパン 五、六粒ずつ配給 雑談し、ゆっくり味わう
- 236火の中 回りを包む赤い炎 水含ませた毛布で防ぐ
- 237火の玉 無気味なえい光弾 ゴウの入り口に集中
- 238首里へ 共に誓った戦友 手りゅう弾に散る
- 239津嘉山へ 迫りくる優勢な敵 痛む足ひきずり移動
- 240トマト ちぎるのも惜しげに・・・ しばらく見とれる
- 241敗走 〝連れて行ってくれ〟 泣き叫ぶ、歩けぬ負傷兵
- 242セミ 日をいっぱいにうけ 静まった戦場で泣く
- 243かたわこじき 服装はみだれ放題 片手にツエ、やぶれた服
- 244降伏勧告 砲声やんだ数時間 いらだたしい兵たち
- 245父母の顔 ゴウ内に火炎放射 家族を思い?・・・失神
- 246与座岳へ 焼かれたゴウ脱出 連隊本部の収容所へ
- 247煙り 米軍のいぶり出し 地面にふして防ぐ
- 248故郷との会話 妻子に帰り知らす うわごとで絶命寸前に
- 249岩石の下 くずれ落ちる岩 押しつぶされ、死を覚悟
- 250探検 自然の大ドウクツ 無数にある鍾乳石
- 251ぼたもち 腹いっぱい食べる 玄米とそら豆のあんで
- 252いつの日か 生き残りオレだけ みんなの霊におわかれ
- 253零距離射撃 米軍の戦車隊接近 最後の抵抗試みる砲兵
- 254砲のない砲兵 陣地は重傷者だけ 敵に砲もこわされ
- 255火の噴流 ものすごい火炎放射 本部の洞クツ目がけ
- 256雨宮師団長 ガソリンでむし焼き 静かに自決の時を待つ
- 257宣伝ビラ 日本軍へ降伏勧告 牛島中将、一笑に付す
- 258バ中将の戦死 進撃状況の視察中 一発の砲弾に倒れる
- 259牛島、長将軍の自決 東天を遥拝し切腹 米軍手りゅう弾の中で
- 260 千円銀貨 二児失った母が贈る 琉球議員の宮城さんへ
- 261村上友之助さん 苦しみ続けた20年 傷もいえずなくなる
- 262糸満の海 まぶしい陽光のもと 俗界の雑事忘れさす
- 263おみやげ 生きたハブを所望 中はなんとタバコの山
- 264沖縄会と石碑 遺族や生還者が集まり 北霊碑前で慰霊祭
- 265沖縄風俗〈1〉 沖縄娘の慕情うたう 南方系の踊り“恩納節”
- 266沖縄風俗〈2〉 今に残る貞幹(江戸時代の学者)説 神武天皇は琉球に誕生
- 267みたまへささげる ねむれるわが子へ…… 母の心、母のうた